就労支援の必要性
犯罪により刑事施設に収容された人も、非行により少年院に入院した少年も、やがて社会に戻ります。多くの人は事件への反省を踏まえて生活を立て直し、社会の健全な一員として暮らしていきますが、社会に戻っても「仕事」がないなどの理由で再び犯罪や非行を繰り返すケースが少なくありません。
犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、適切な就労支援によって再犯や再非行を防止することが必要です。
犯罪により刑事施設に収容された人も、非行により少年院に入院した少年も、やがて社会に戻ります。多くの人は事件への反省を踏まえて生活を立て直し、社会の健全な一員として暮らしていきますが、社会に戻っても「仕事」がないなどの理由で再び犯罪や非行を繰り返すケースが少なくありません。
犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、適切な就労支援によって再犯や再非行を防止することが必要です。
刑法犯により検挙された再犯者
再犯者の数は平成8年以降増加し、平成18年がピークでしたが、その後減少していました。しかし、令和5年には再び6.1%増加しました。一方で、初犯者の数は平成12年から増加し、平成16年がピークでしたが、減少し続けていました。しかし、令和5年には10.1%増加しました。
再犯率は平成9年以降増加傾向でしたが、令和3年から3年連続で低下し、令和5年には47.0%となりました。それでも、約半数が再犯者です。
再犯者の再犯期間
令和5年の再入者のうち、前刑出所日から2年未満で再犯に至った者が全体の5割以上を占めています。特に、出所から1年未満で再犯に至った者は33.5%にのぼり、さらに3か月未満というごく短期間で再犯に至った者も9.1%います。
入所受刑者の就労状況構成比
このグラフは、令和5年における入所受刑者の就労状況別構成比を男女別に見るとともに、これを初入者・再入者別に見たもので、男性女性とも再入者は7割を超える者が無職です。
刑務所出所者等への就労支援は、再犯を防ぎ、社会復帰を支援するために必要です。
再犯防止
就労支援を受けることで、安定した収入を得ることができ、経済的な困難から解放されます。これにより、再び犯罪を犯すリスクが減少します。
社会復帰の促進
就労を通じて、社会とのつながりを持ち、自尊心や自己効力感を高めることができます。これにより、社会復帰がスムーズになります。
スキルの向上
就労支援を通じて、職業訓練やスキルアップの機会を提供し、将来的な雇用の可能性を広げます。
コミュニティへの貢献
元受刑者が労働力としてコミュニティに貢献することで、地域社会全体の活力や安全性が向上します。
刑務所出所者等は、再び地域に帰ってきます。彼らが再犯や再非行に至らないためには、仕事に就き、職場に定着して、責任ある社会生活を送ることが大切です。
協力雇用主とは
協力雇用主の現状
現在、全国に約25,200の事業主が協力雇用主として登録されていますが、実際に刑務所出所者等を雇用している事業主は約1,000です。東京保護観察所に登録された協力雇用主は令和6年4月現在1,240社であり、その業種の内訳は建設業が全体の60%を占めています。しかし、刑務所出所者等の円滑な社会復帰・職場定着のためには、幅広い業種の事業主の方々のご理解とご協力が欠かせません。協力雇用主に登録し、刑務所出所者等の就労支援にご協力をお願いします。
協力雇用主の登録
支援制度
国の支援制度として次の制度が用意されています。
これらを利用することで、刑務所出所者等の就労が促進され、社会復帰がスムーズに進むことが期待されます。
就労継続奨励金 |
雇用を継続し職場に長期的に定着することで支給される奨励金です。 |
身元保証制度 |
就労の際に必要となる身元保証を提供する制度です。 |
トライアル雇用制度 |
一定期間試用として雇用し、その後本採用に至る制度です。 |
職場体験講習 |
実際の職場での体験を通じて、職業技能を習得するための講習です。 |
事業所見学会 |
求職者が事業所を見学し、職場の環境や仕事内容を理解する機会を提供するイベントです。 |
公共調達における雇用実績の評価 |
公共調達において、雇用実績が評価の対象となる制度です。 |